2021年06月12日
これからローマ書を一つ一つ入念に学んでいきたいと思います。私たちがキリスト教の歴史を振り返って見ると、ローマ書はクリスチャンにとって霊的な戦いのための兵器庫のようなものでした。兵士が戦いながら武器が尽きてしまった時に、武器庫から取り出して戦いに挑むように、ローマ書は歴史的に、時代ごとに、数多くのクリスチャンたちに霊的武器を提供し、熾烈な霊的戦争を支えてきました。ですから、私たちが、ローマ書を注意深く見るべきです。具体的には、16世紀にマルティン・ルターが、ローマ書の「ただ義人は信仰によって生きる」(ローマ書1:17)という御言葉を掴むことで、キリスト教の歴史で非常に重要な事件である宗教改革を開始しました。その宗教改革を通して、今日のプロテスタントが誕生しました。そしてメソジストの創始者であるジョン・ウェスレーは、マルティン・ルターが書いたローマ書の序文を読みながら回心を経験し、後にメソジストという教派を立ち上げました。ヒッポのアウグスティヌスもローマ書の聖句(ローマ書 13:13-14)が、彼の暗い心に閃光のように入って来て、放蕩生活を悔い改め、キリスト教の信仰を弁証する偉大な神学者となりました。この他にも、ローマ書はキリスト教の歴史において数多くの人々を変化させただけでなく、彼らを通してキリスト教の歴史における重要な分岐点が作られてきたのです。ローマ書は聖書の中でも実に重要な書簡であると断言することが出来ます。